ムササビ(英名:Japanese giant flying squirrel)とモモンガ(Japanese dwarf flying squirrel)は、日本の森林で見られる小さなリス科の生き物たちです🥰
見た目が似ているため、しばしば混同されがちですが、実は両者にはいくつかの大きな違いがあります。では、これらの愛らしい生き物たちの違いと共通点について探ってみましょう🕵
ムササビとモモンガの違い
ムササビとモモンガの違いを一言で言うと、生活スタイルと身体的特徴が異なります。
ムササビは体が大きく、長い距離を滑空できるのに対し、モモンガは小さく、短い距離の滑空に適しています。
ムササビは大きな体で長距離を滑空する能力を持ち、基本的には単独で生活します。
これに対して、モモンガは体が小さく、短距離の滑空しかできませんが、数匹で集団を形成して生活することが一般的です。このように、生活スタイルと身体的特徴において、ムササビとモモンガには明確な違いがあります。
大きさと体重の違い
モモンガは手のひらサイズで、体重は約200g程度です。一方、ムササビは小さな猫ほどの大きさで、1kgを超える個体も多いです
体の違い
モモンガは大きな目を持ち、しっぽは平たいです。ムササビは目が小さく、しっぽが太く長いです。また、ムササビのほほには特徴的な白い帯模様がありますが、モモンガにはありません
手足を広げたときの形の違い
ムササビの皮膜は首から前脚、前脚と後脚、後脚と尾の間でつながっており、五角形を形成します。モモンガの皮膜は前脚と後脚の間にのみ発達しており、四角形の形をしています。
暮らし方の違い
ムササビは基本的に単独で暮らし、モモンガは5匹ほどの群れで同じ巣穴に暮らし、集団行動をとることが多いです
両方とも夜行性で木の洞(ほら)やキツツキが開けた穴を広げて巣にします。木から木へ飛び移り、フクロウやヘビなどの天敵から逃れます。
食べ物の違い
ムササビは主に植物食で、果実や木の芽、花、つぼみなどを食べるのに対して、モモンガは雑食性で、植物の他に小動物を食べることもあります。つまり、ムササビは樹上で見つける植物を中心に食べるのに対し、モモンガはより多様な食物を摂るという違いがあります。
寿命の違い
ムササビの寿命は約10年、モモンガの寿命は約5年程度です。
ムササビとモモンガの日本での分布(住んでいる地域)の違い
ムササビは日本の固有種であり、本州、四国、九州に広く分布しています。これらの地域の山地や平地の森林に生息し、特に巣になる樹洞があり、滑空に利用できる高木が多い場所を好むとされています。夜行性で、樹上生活を送っています。
日本において、モモンガは主に北海道に住む「エゾモモンガ」と、本州以南に住む「ニホンモモンガ(ホンドモモンガ)」の2種が生息しています。エゾモモンガは北海道特有の種で、ニホンモモンガは本州、四国、九州などの地域に分布しているとされます。
フクロモモンガはどこ子?
フクロモモンガはオーストラリアに生息する動物で、有袋類に属しています。カンガルーやコアラと同じく、育児嚢(いくじのう)を持っており、モモンガと名前が付いているものの、リス科のモモンガ族とは異なる種類です。フクロモモンガも皮膜を持っており、滑空することが可能です。日本ではペットとしても人気があります。
ペットとして飼えるのは?
日本では、ペットとして飼育されることが一般的なのはフクロモモンガです。これはオーストラリア原産の有袋類で、モモンガと名が付いていますが、生態や分類学上はリス科のモモンガとは異なる種です。フクロモモンガは滑空する能力を持ち、ペットショップで流通していることが多いです。一方、ムササビや日本のモモンガは野生動物であり、ペットとして飼育することは一般的ではありませんし、環境的・法的な制約もあります。
ムササビ・モモンガに会える動物園
日本国内でムササビやモモンガを観察できる動物園の一部を以下に紹介します。
ムササビに会える動物園
- 埼玉県こども動物自然公園(埼玉県)
- 多摩動物公園(東京都日野市)
- 井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)
- 富山市ファミリーパーク(富山県富山市)
- 小諸市動物園(長野県小諸市)
- 茶臼山動物園(長野県長野市)
- 飯田市立動物園(長野県飯田市)
- 東山動植物園(愛知県名古屋市)
- 京都市動物園(京都府京都市)
- 安佐動物公園(広島県広島市)
- 徳山動物園(山口県周南市)
- とべ動物園(愛媛県砥部町)
- わんぱーくこうちアニマルランド(高知県高知市)
- 到津の森公園(福岡県北九州市)
- 宮崎市フェニックス自然動物園(宮崎県宮崎市)
- 熊本市動植物園(熊本県熊本市)
モモンガに会える動物園
- 円山動物園(北海道札幌市)
- 旭山動物園(北海道旭川市)
- おびひろ動物園(北海道帯広市)
- 釧路市動物園(北海道釧路市)
- 盛岡市動物公園(岩手県盛岡市)
- 埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東松山市)
- 上野動物園(東京都台東区)
- 井の頭自然文化園(東京都台東区)
- 京急油壺マリンパーク(神奈川県三浦市)
- 富山市ファミリーパーク(富山県富山市)
- 秋吉台サファリランド(山口県)
- ときわ動物園(山口県)
- しろとり動物園(香川県)
- 愛媛県立とべ動物園(愛媛県)
- とくしま動物園(徳島県)
- 高知県立のいち動物公園(高知県)
- わんぱーくこうちアニマルランド(高知県)
- 福岡市動物園(福岡県)
- 大牟田市動物園(福岡県)
- 到津の森公園(福岡県)
- 久留米市鳥類センター(福岡県)
- 海の中道海浜公園(福岡県)
- 長崎バイオパーク(長崎県)
- 九十九島動植物園・森きらら(長崎県)
- アフリカンサファリ(大分県)
- くじゅう自然動物園(大分県)
- 別府ラクテンチ(大分県)
- 熊本市動植物園(熊本県)
- 阿蘇カドリー・ドミニオン(熊本県)
- 阿蘇FarmLand・ふれあい動物王国(熊本県)
- 宮崎市フェニックス自然動物園(宮崎県)
- 長崎鼻パーキングガーデン(鹿児島県)
- 平川動物公園(鹿児島県)
- ネオパークオキナワ(沖縄県)
- 沖縄こどもの国(沖縄県)
ペットで人気のフクロモモンガ
この章では近年ペット人気が高まっているフクロモモンガを飼う際に知っておくべき重要なポイントをまとめました。
フクロモモンガを飼う際に大切な事
フクロモモンガは犬や猫と比べると珍しいペットですが、適切なケアと環境管理で「比較的」簡単に飼育できます。
ただし、臆病で警戒心が強いため、飼い主との信頼関係の構築が重要です。
日光浴の重要性
フクロモモンガは適度な紫外線を必要とします。くる病や骨粗しょう症を防ぐためには日光浴が必要ですが、直射日光は避けましょう。室内で適度な光を取り入れる程度で十分です。
外に出さないこと
野外での運動は避けるべきです。小型で機敏なため、逃げてしまう可能性があり、野生で生きるのは困難です。運動は室内で行いましょう。
最適な室温
フクロモモンガを飼育する際の理想的な室温は24~27℃で、湿度は50%前後を保つことが望ましいです。フクロモモンガは元々温帯から熱帯地域に生息する動物で、日本の冬は特に寒さに弱いため、適切な室温を維持することが重要です。夏の暑い時期も、熱中症を防ぐために室温管理に気を付ける必要があります。
餌・食事
ペレットを主食とし、必要に応じてミルクやサプリメントを与えます。果物や野菜はおやつとして、種類や量に注意して与えてください。
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スキンシップの方法
フクロモモンガは警戒心が強いため、信頼関係を築いてからスキンシップをしましょう。撫でるときは頬、おでこ、胸が好きなポイントです。
鳴き声とコミュニケーション
フクロモモンガは鳴き声を使ってコミュニケーションを取ります。状況や感情に応じて異なる鳴き声を出し、それを理解することでコミュニケーションが深まります。
トイレの習慣
トイレのしつけは難しいので、ケージの下にペットシーツや木くずを敷いておきます。ケージの清掃は定期的に行うことが重要です。
においについて
フクロモモンガは独特のにおいがあります。個体差や性別によってにおいの強さが異なります。こまめな掃除と換気でにおいを抑えることができます。
飼育用品
専用ケージ、巣箱、床材、エサ入れ、給水ボトル、ヒーターなどが必要です。飼育環境に合わせたケージ選びや、適切な室温管理が大切です。
日中の睡眠を妨害しない
フクロモモンガは夜行性なので、日中の睡眠を妨害しないように注意しましょう。
遊び方
ケージ内には適切な遊具を設置し、室内での運動も効果的です。遊びを通じて行動パターンを増やし、退屈しないようにしましょう。
フクロモモンガの寿命
ペットとしてのフクロモモンガの寿命は、一般的には約10年から15年程度とされています。これは飼育環境やケアによって多少の差がありますが、適切な環境とケアが提供された場合、この期間内で健康に生活することが可能です。フクロモモンガは適切な飼育環境と栄養のある食事、そして適切な医療ケアによって、長く健康に過ごせる可能性が高まります。
フクロモモンガは飼い主になつく?
フクロモモンガはスキンシップを好む動物であり、信頼関係が築かれれば手に乗ったり、撫でられるのを楽しむようになることもあります。ただし、無理に触ろうとすると逆効果になるため、フクロモモンガが自ら寄ってくるまで待つことが肝心です。
また、フクロモモンガは鳴き声を通じてコミュニケーションを取ります。その鳴き声を理解し、適切に反応することで、飼い主とフクロモモンガとのコミュニケーションがより深まります。
ただし、個体による性格の違いや、飼育環境、飼い主との関わり方によっても慣れ方に差がありますので、すべてのフクロモモンガが同じようになつくとは限りません。フクロモモンガとの生活を楽しむには、彼らの特性を理解し、根気強く接することが大切です。
ムササビとモモンガの違いに関するよくある質問
細かな疑問・質問はコチラにまとめました。
ぜひご覧ください☺
ムササビは日本にしかいない?
ムササビは日本固有の種ではなく、広く東アジア、南アジア、東南アジアに分布しています。ムササビ属(Petaurista)には複数の種が存在し、それらは日本を含むアジア各地に生息しています。日本に生息するムササビ(ホオジロムササビ)は、特に日本に固有の種ですが、ムササビ属の他の種は他のアジア地域にも分布しています。
モモンガは日本にしかいない?
モモンガは、リス科モモンガ属に分類される小型の哺乳類で、滑空するリスの仲間です。モモンガの属するモモンガ族には約45種が含まれており、世界的に広く分布しています。この族はモモンガ属、クロムササビ属、ケアシモモンガ属など、さまざまな属を含んでいます。モモンガの種類には、日本のニホンモモンガや、北海道のエゾモモンガ、さらにアメリカモモンガやタイリクモモンガ、オーストラリアのフクロモモンガなどがあり、各地の森林地帯に生息しています。それぞれの種によって、分布域や生態が異なります。
ペットのモモンガがアレルギーの人は多い?
モモンガをペットとして飼う場合、アレルギーの問題が生じることがあります。特にフクロモモンガに関しては、接触による皮膚のかゆみや赤みといったアレルギー反応が報告されています。例えば、フクロモモンガの爪が皮膚に触れることでかゆみや赤みが出ることがあるようです。また、フクロモモンガを触った後に目をこすると目のかゆみを感じることもあります。これらのアレルギー反応は一時的なもので、数時間後には改善することが多いですが、アレルギー体質の方は特に注意が必要です。
アレルギー反応が出た場合の対策としては、こまめに掃除を行い、モモンガに触れた後は手を洗って清潔に保つことが挙げられます。また、モモンガによるアレルギー反応が出た場合は、症状を放置せず、呼吸器内科やアレルギー科など専門の医療機関での診察や治療が必要になることもあります。
モモンガを飼育する際は、このようなアレルギーのリスクも考慮して、飼育環境や自身の健康状態に配慮することが大切です。また、ペットを飼う前にアレルギー検査を行い、自身が特定の動物に対してアレルギー反応を示す可能性があるかどうかを確認することもおすすめします。
さいごに:むささびとモモンガの違いまとめ
ムササビとモモンガ、この二つの愛らしい森の住人のいくつかの顕著な違いを見てみました。最後に改めて違いをまとめると、ムササビは大型で、最大100メートルも滑空することができ、単独生活を好みます。一方モモンガは小型で、20~30メートル程度の短い距離を滑空し、群れでの生活を好む傾向があります。どちらも日本の森林を舞台に、夜空を舞う姿はまさに自然の魔法です。これらの小さな生き物たちが織りなす森の物語は、私たちに自然の大切さと驚異を教えてくれます。
それでは、この記事がどこかの誰かのお役に立てていたら幸いです!
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