「ずつ」と「づつ」はどちらが正しい?意味の違いは?

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日本語における「ずつ」と「づつ」の使い分けは、ときに混乱を招くことがあります。しかし、基本的にこれらの言葉は同じ意味を持ち、使い方に違いはありません。
しかしどちらかというと「ずつ」を使うのが無難です。

どうしてそうなのか、当ページにまとめましたのでご覧ください。

結論:「ずつ」の方が適切

現代日本語においては、「ずつ」が標準的な用法とされています。
「づつ」は特定の文化的・歴史的文脈や、地域特有の方言において使われることがありますが、日常会話やビジネス文書では「ずつ」を用いることが推奨されます。

だれが「ずつ」が正しいと決めた?

「ずつ」が正しいというのは、文化庁国語科「仮名遣いに関する問答(昭和28年~昭和33年)」に掲げられています。

【問】「一つづつ」と書くのが正しいですか。「一つずつ」と書くのが正しいですか。

【答】「ずつ」です。これは「つつ」の連濁ではなく、「ずつ」という接尾語になっているものと解釈しているのです。

引用元:仮名遣いに関する問答-(昭和28年~昭和33年)

また同じく文化庁の「現代仮名遣い 歴史的仮名遣い対照表(イ~ワ)」には「一つづつ」という仮名遣いは歴史的仮名遣いの例に分類されている。

1986年(昭和61年)の内閣告示の「現代仮名遣い」では、「『ずつ』と書くのが原則だが、『づつ』と書くこともできる」と改定されたという情報も出回っているため、どちらも正解と言えるかもしれません。しかし今回の調査では該当の内閣告示を見つけることが出来ませんでした。

高齢の方に「づつ」を使うと間違いだと指摘される可能性があることも考慮すると、「ずつ」を使っておいた方が無難でしょう。

「ずつ」と「づつ」意味の違いは?

「ずつ」という言葉は、物事を均等にまたは一定の割合で分ける際に用いられます。分配や割り当てを示す際によく使われ、何かを等しく分ける状況を表します。

「づつ」という表現も「ずつ」と同様に、等分することを意味します。しかし、現代の標準的な日本語では、「ずつ」の形がより一般的です。

「づつ」は古い文献や方言で見られることがありますが、現代ではあまり一般的ではありません。

ネット上の利用実態は「ずつ」の方が多い

以下の画像はGoogle検索で「ずつ」と「づつ」を使っているウェブページの数を比較したものです。

まずは「づつ」から。
「”1つづつ”」というキーワードで検索すると、395万件のウェブページがヒットしました。
「づつ」の件数

次に「ずつ」。
同様に「”一つずつ”」という検索ワードで調査すると、「づつ」の約4.6倍、1,830万件のウェブページがヒット。
「ずつ」の件数

世間一般では「ずつ」の方が正しいと認識されていると言えるのかもしれません。

1つずつの言い換え表現

日本語の辞書
どうやら「ずつ」を使用するのが適切であることは分かりましたが、シチュエーションによっては「ずつ」を使うよりも他のフレーズに言い換えたほうが良い場合もあるかもしれません。
この章では、その言い換えや代替表現を探究し、より豊かな日本語表現を学んでいきましょう。

同義語や類義語による言い換え

「一つずつ」の意味を保ちつつ、異なる表現を使ってみましょう。

順番に: 「順番に処理する」は、特定の順序で一つずつ事を進めることを意味します。
一つ一つ: 「一つ一つ確認する」は、個別に、注意深く各項目を見ていく様子を表します。
それぞれ: 「それぞれの問題を解決する」という使い方も、「一つずつ」に似たニュアンスです。

より具体的な表現への変換

場合によっては、「一つずつ」をより具体的なシチュエーションに合わせた表現に変えることができます。

段階を踏んで: 例えば、「段階を踏んで学ぶ」は、一つずつ順を追って進めることを示します。
少しずつ: 「少しずつ進める」は、ゆっくりと一つずつ進むことを意味します。

文脈に応じた応用

「一つずつ」の代わりに、その状況や文脈に合った表現を選ぶことも重要です。

プロジェクト管理の場合: 「タスクを分割して実行する」
勉強や学習の場合: 「章ごとにマスターする」

 


まとめ
「ずつ」と「づつ」は、基本的には同じ意味を持ちますが、「ずつ」が現代日本語における標準的な用法です。「づつ」は古い文脈や方言に限られて使われることが多いです。
一般的に使用されている割合も「ずつ」の方が圧倒的に多く、日常会話やビジネスシーンでは「ずつ」の使用が適切と言えるでしょう。

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