スポーツの世界では「ゼッケン」と「ビブス」がよく使用されますが、これらの用途や形状には異なる特徴があります。
ここでは混同されがちなゼッケンとビブスの違いを見てみましょう。
ゼッケンとビブスの違い
ゼッケンとビブスの違いを一言で言うと、「使用目的」です。ゼッケンは競技中の選手識別に、ビブスは練習時のチーム分けに使われます。
ゼッケンとは?
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ゼッケンは、主に競技者の背番号や所属チーム、名前などを表示するための布製またはプラスチック製のタグです。
これは通常、選手のユニフォームの前面や背面に固定され、競技中に誰であるかを識別しやすくするために使われます。マラソンや自転車競技、スキーなど、個々の選手が識別される必要があるスポーツでよく見られます。
ビブスとは?
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ビブスは、通常、練習や準備段階で使用される軽量で着脱が容易なベスト型の衣服です。
これはチーム分けを容易にするために用いられ、色や番号で区別されます。サッカーやバスケットボールの練習時に選手たちが迅速にチームに分かれるために使用されることが多く、公式の試合での使用は少ないです。
ビブスは素早くオーバーウェアとして着用することができ、主にトレーニングやウォーミングアップの際に活用されます。
ゼッケンとビブスの他の呼び方
ゼッケンとビブスは、それぞれ異なる呼び方や類似の用途を持つアイテムもあります。ここでそのいくつかを紹介します。
ゼッケンの他の呼び方
- ナンバーカード:特にランニングやトライアスロンなどの競技で使われることが多い表現です。
- レースナンバー:主にレースで使用されるゼッケンのことを指す場合に用いられます。
- スタートナンバー:レース開始時に選手が身につける番号のこと。
ビブスの他の呼び方
- ピニー(Pinnie): 特にアメリカ合衆国で一般的な呼び名です。サッカーやバスケットボールの練習で使われることが多く、ビブスと同じようにオーバージャージとして使われます。
- メッシュビブス:メッシュ素材でできたビブスのことを指すことがあり、特に通気性が求められる暑い環境や激しい運動時に便利です。
- チームベスト:ビブスがチームごとに色分けされている場合、このようにも呼ばれることがあります。
これらの言葉も基本的にはビブスと同じ目的で使用され、練習やゲーム中のチーム分けを容易にするためのアイテムです。
ゼッケン・ビブスは何語?由来は?
ゼッケンとビブス。どこの言葉から由来しているのか、いつぐらいから使われているのかを調べてみました。
ゼッケンの由来
「ゼッケン」はドイツ語由来の日本語です。ドイツ語の「Zechen(ツェッヒェン)」が語源で、元々は「マーク」や「シンボル」を意味する言葉です。
日本においては、スポーツ選手が身に着ける番号付きの識別タグを指す言葉として用いられています。
「ゼッケン」という言葉が日本で使われ始めた正確な時期を特定するのは難しいですが、一般的には20世紀初頭にスポーツが近代化し、国際的な競技が普及するにつれて使用され始めたと考えられます。特に1920年代から1930年代にかけて、オリンピックなどの国際的なスポーツイベントが日本でも注目され始め、選手の識別のためにゼッケンが使用されるようになったとされています。これに伴い、ドイツ語由来の「ゼッケン」という言葉が定着したと考えられます。
ビブスの由来
ビブス(bib)という言葉自体は、元々乳幼児が食事の際に身につける保護用のエプロンを指す英語から来ています。スポーツ用途でビブスが使われ始めたのは、おそらく20世紀後半ですが、特にサッカーやバスケットボールのようなチームスポーツでのトレーニング用具として普及しました。これはチーム分けを明確にし、練習を効率化するために非常に便利であるためです。
日本においても、1980年代から1990年代にかけて、スポーツの普及と共にビブスがよく使われるようになったと考えられます。特に子供たちのスポーツ教育やアマチュアスポーツの現場で広く採用され、現在でも多くのスポーツで使用されています。
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