「すべからく」の本来の意味と誤用、それぞれの言い換え表現 | ナルワカ

「すべからく」の本来の意味と誤用、それぞれの言い換え表現

メモ
「すべからく」という言葉の正しい意味と誤用について詳しく見ていきましょう。古典的な日本語表現が現代においてどのように誤解され、誤用されるようになったのかを知ることで、言葉の正しい使い方を身につけましょう。ここでは「すべからく」の本来の意味、誤用の例、そして正しい言い換え表現を紹介します。

「すべからく」の本来の意味

「すべからく(須らく・須く)」は、もともと「当然」や「必ず」という意味を持つ副詞です。この言葉は、古典文学や伝統的な日本語において、「すべからく~べし」の形で使われ、「~するのが当然である」という意味を強調する際に用いられていました。

本来の意味での例文

  • 「すべからく人は礼儀を守るべし」— すべての人は当然礼儀を守るべきである。
  • 「すべからく学生は学問に励むべし」— すべての学生は当然学問に励むべきである。
  • 「すべからく大人は子供の模範となるべし」— すべての大人は当然子供の模範となるべきである。

本来の意味の言い換え表現・類語

「必ず」「当然」「当然ながら」といった表現が、正しい意味での言い換えとして適しています。

「須」の意味

すべからくを漢字で書くと、「須らく」又は「須く」となります。

「須(す)」という漢字一文字の意味は、「必要とする」「必ず〜しなければならない」ということを表します。この漢字は、必然性や不可避な事態を示す際に使われ、何かをしなければならないことや、どうしても避けられない状況を強調するために用いられます。

例えば、「必須」という言葉の中でも使われ、重要な役割を持つ漢字です。

「すべからく」の誤用

近年、「すべからく」は「すべて」や「一切」という意味で誤用されることが増えています。これは言葉の音の響きや文脈に依存した誤解から生じるものであり、日常会話やSNS上で特に目立つ誤用です。

誤用の例

  • 「すべからくの人がその案に賛成した」— この場合、「すべての人がその案に賛成した」と言いたいところです。
  • 「すべからくの事態が解決された」— 「すべての事態が解決された」という意味で誤用されています。
  • 「すべからくの生徒が試験を受けた」— 「すべての生徒が試験を受けた」と言いたい場合の誤用です。
  • すべからく、あらゆる制度は、人間のなせる業でありますから、そこに一〇〇%ということはないわけです。(第213回国会 衆議院 予算委員会 第17号 令和6年4月22日)

誤用での意味を言い換えると?

この場合、「すべての」「一切の」という言い換えが正しい表現となります。
 


まとめ 「すべからく」という言葉は、古典的な日本語では「当然」や「必ず」という意味を持ちますが、現代では「すべて」として誤用されることが増えています。正しい意味を理解し、適切な場面で使うことで、より豊かなコミュニケーションが可能になります。これからも言葉の使い方に注意を払い、正しい日本語を大切にしていきましょう。

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