「以来」と「以降」は、時間を表す言葉ですが、その使い方や意味には微妙な違いがあります。それぞれの意味と使い方について詳しく説明します。
以来・以降の違いをひとことで言うと?
「以来」と「以降」の違いをひとことで表すと、「以来」は過去の特定の時点から現在までの期間を表し、「以降」は特定の時点からその後の期間を表します。
「以来(いらい)」の意味と使い方
「以来」は、ある特定の時点から現在までの期間を指します。この言葉を使うことで、その時点から現在までの間に起こったことや継続している状態を表現します。
例文
- 日本に来て以来、毎日日本語を勉強しています。
- 彼が卒業して以来、一度も会っていません。
これらの例からわかるように、「以来」は過去のある時点を基準にして、そこから今まで続いている事柄や状況を述べる際に使われます。
「以降」の意味と使い方
「以降」は、ある特定の時点からその後のすべての期間を指します。具体的には、その時点を含むそれ以降の時間について述べる際に使われます。
例文
- 午後6時以降に電話してください。
- 2010年以降、急速に技術が進歩しました。
これらの例では、「以降」は特定の時点を基準にして、その時点以降の未来のことを表現しています。
「以来」・「以降」の使い分けに迷った時の考えるコツ
「以来」と「以降」の使い分けに迷った時の考えるコツ・ポイントをいくつか紹介します。
基準点の方向を確認する
「以来」:過去の特定の時点から現在までの流れを表します。
- 例:旅行に行った日を基準にして、その日から今までの間を表す。
- 例文:去年の夏以来、海に行っていません。
「以降」:特定の時点からその後の期間を表します。
- 例:会議の時間を基準にして、その時間以降の予定を指す。
- 例文:午後2時以降にお越しください。
文の意味をチェック
「以来」は、過去の出来事や状態の継続を強調する時に使います。
- 例:結婚して以来、毎日幸せです。
「以降」は、未来の予定や計画を強調する時に使います。
- 例:会議は3時以降に始まります。
時間の流れを意識する
「以来」は、ある出来事を起点にしてその後の継続する状況を表現します。
- 例:入学以来、ずっと同じクラスです。
「以降」は、特定の時点を起点にしてその後のことについて述べます。
- 例:2025年以降、制度が変更されます。
練習問題
以下の文に「以来」または「以降」を入れてみてください。
- 雨が降り出してから、家に帰ることができませんでした。(雨が降り出して ___)
- 会議は午後3時から始まります。(会議は午後3時 ___)
回答:
- 雨が降り出して以来、家に帰ることができませんでした。
- 会議は午後3時以降に始まります。
このように、時間の流れや文の意味を意識して使い分けると良いでしょう。
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